世界のびっくり映像などで、よく登場するのが、
インドの電車の屋根に人がたくさん乗ってる場面。
もちろん、車内は人でごった返しの状態。
特に密集度が高いのが、ムンバイだ。
1日のムンバイでの電車利用者は750万人。
東京メトロ全線の1日の利用者数、742万人に匹敵します。
ムンバイは、東京メトロほど本数もないし、路線も少ない。
それでも750万人が利用しているとは、過密ぶりがよくわかります。
怖いもの見たさで、インドで電車に乗ってみたいと思ってたところ、
出張中に少し時間ができたので、嫌がる後輩君を無理やり引っ張って、
駅に向かいました。
Google Mapで見ると、徒歩でも行けそうな距離。
歩き出してしばらくして、道に野良犬がたくさんいることに、
後輩君がおびえ出す。
インド渡航前に、狂犬病の話を聞いているから、
おびえるのも無理ないんです。
狂犬病は、一度噛まれたら、血清を3回ぐらい打たないと、
発症して死んじゃいます。
インドの野良犬は、おとなしいもので、襲って来る気配はない。
でも、予防注射なんか打ってないから、キャリアであると思って間違いない。
あまりにも怖がるので、オートリキシャー(三輪タクシー)
で駅まで移動した。
なんとか切符を買ったら、ちょうど電車が来た。
午後3時ごろの上り電車で、人は少なかったので、余裕で乗車。
と思ったら、中に座っていた女性が、降りろという。
女性専用車両だったのだ。
車両は中でつながってないので、一旦下車してから乗る必要がある。
降りた瞬間、電車が動き出した!
ドアは開きっぱなし。徐々に加速してゆく。
なんとかこれに乗りたいと思ったので、
走りながら電車に飛び乗り、なんとか乗れた。
映画のワンシーンみたい。
後輩君は、僕の後に乗ったので、結構加速してたんだと思う。
乗る時に肩をぶつけて、かなり戦意喪失してました。
一般車両でも、そんなに混んでない。あの映像と違うぞ。余裕、余裕。
終着駅に着いてから、海が見える場所まで行きたかったのですが、
後輩君は断固拒否で、諦めて帰ることにした。
帰りは17:00ぐらい。電車にはすぐに乗ることができて、
席に座ることができました。
ピークに差し掛かるので、混むんじゃないかと思ってたけど、
良かった。
席は対面の四人ボックス席。しかし、なかなか発車しない。
そうこうしてる間に、どんどん人が乗ってくる。しまいには、
座ってるボックス席にも、人が無理やり入ってきた。
多分外国人は僕ら2人だけ。まわりはインド人に囲まれた。
混み具合が、ひと昔前の東京総武線の満員電車状態。
駅に止まると、それでも人は乗ってくる。
こうやって、あの屋根上乗車が出来上がるのかと、妙に納得。
ここで問題に気づく。どうやって降りるのか?この寿司詰め状態で、
周りはインド人のみ、完全アウエー。
いくつかの駅に停車するも、人が減る気配はない。
そして次が降りる駅だ。
とにかく、席を立ち、なんとかドアまでいこうとするが、全く動かず。
そうこうしてる間に駅に到着した。
もうぐずぐずしている余裕はない!
とにかく、ドアが空いたら人をかき分け、隙間をこじ開けて前に進む。
前進あるのみ。
傷だらけになりながら、なんとか下車。
後輩君はげっそりでした。
申し訳なかったよ。僕が悪かった。
ホテルまでは、奮発してタクシーで帰りました。
あとで、インド人の友人にこの話をしたら、
電車に乗ったことをかなり驚いていた。彼も乗らないという。
でも、百聞は一見に如かず。何事もやってみないとわからない。
断言します。ムンバイの電車は、ピークには乗ってはいけません!